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大阪府・大阪市補助金裁判・判決言い渡し

2012年9月20日、大阪朝鮮学園が大阪府及び大阪市に対して補助金不交付処分の取消しと交付決定の義務付けを求めて起こした裁判が、実に4年4ヶ月の歳月を経てついに判決を迎えました。民族教育権を争う全国初の補助金裁判は、日本社会の右傾化を憂慮する世論と相まって内外の大きな関心のもと、これまで20回にわたる口頭弁論を重ねて来ました。この間原告大阪朝鮮学園が一貫して訴えてきたのは、朝鮮学校で学ぶ子ども達にも「平等に学ぶ権利」を与えて欲しいと言う当然の権利に他なりません。この日、349人の傍聴希望者が大阪地裁に詰めかけました。

■大阪府内で10校の朝鮮学校を運営する学校法人大阪朝鮮学園に対する補助金の支給開始は1974年に遡ります。これまで学園と行政間の良好な信頼関係のもと40年近く実施されてきた民族教育助成事業でした。IMG_0964.JPGところが当時の橋下徹大阪府知事はいわゆる「肖像画問題」をはじめとする「4要件」という極めて不当な要件を唐突に持ち出して朝鮮学園側に一方的に押しつけ補助金の支給を凍結してしまいました。 
学園は2012年3月に要件を調え交付を申請しましたが、府は産経新聞が記事で取り上げた「迎春公演」を理由に2011年度分から初、中、高すべての補助金を停止しました。これに倣うかのように大阪市も不交付を決定し、交付要綱を改定したのでした。理不尽に過ぎる府・市の決定を受け大阪朝鮮学園はその半年後に裁判を起こしました。学園は一貫して民族教育の重要性と公益性、そして政治的問題を根拠とした不交付処分の不当性を20回にわたる口頭弁論を通じて訴え続け、ついに判決に至りました。

■裁判は午後1時30分に始まりました。裁判長はまず、主文を読み上げました。「主文 1.本件訴えの内、被告大阪府に対し『大阪府私立・外国人学校振興補助金を交付しない旨の処分の取り消しを求める部分、及び同補助金の交付の義務付けを求める部分、並びに被告大阪市に対し『大阪市義務教育に準ずる教育を実施する各種学校を設置する学校法人に対する補助金』を交付しない旨の処分の取り消しを求める部分、及び同補助金の交付の義務付けを求める部分を却下する。2.原告のその余の請求をいずれも棄却する。3.訴訟費用は原告の負担とする。」
法定内に傍聴者らの驚きと憤慨、落胆に満ちた嘆息が低く漏れました。
「理由の骨子を述べます。」しかし、主文に続けて裁判長が判決の理由を語り出すと、傍聴者らの怒りは頂点に達しました。長々と語られた「理由」には何一つ納得できる正当な内容が無く、ただひたすら大阪府と市の主張をなぞっただけの口実に過ぎなかったからです。その要旨は「補助金の交付は申込みに対して承諾し、給付したに過ぎず『贈与』であり」、したがって「申請する学校側に交付を受ける権利があるわけではない」といったものでした。また「補助金交付には行政の裁量がある」として、先の4要件に「相応の合理性がある」としました。s_0_vc7_h4-text-list-01_vc7_h4-text-list-text-06_0_vc7_img-01.jpeg
そして、裁判長は最後に言いました。「補助金の交付を受けられないことにより結果として朝鮮学校に通学する児童・生徒・保護者の学習環境の悪化や、経済的負担の増大などの影響が懸念されるところではあるが…、やむを得ないと言わざるを得ない。」あたかも財政難にあえぐ朝鮮学校と厳しい経済状況に耐えながら民族教育を受ける子どもたちと保護者らに配慮するかの様な言葉をかけながらも敗訴判決は仕方ない事と言い放ちました。
朝鮮学校設立の歴史的経緯や、長きに渡り行政と共に培ってきた信頼関係、在日コリアンにとって民族教育の必要性、そして何よりもこの問題で直接被害を被るのは何の罪もない幼い子どもたちであり彼らこそ未来の日本社会を共に担って行く構成員である事実など、本件訴訟の核心についてひと言も触れられることのない不当な判決によって第1審は終わりを告げました。
「人間の心をもって考えろ!!」
退廷する裁判長に向けて浴びせられた傍聴者の悲痛な叫びが、朝鮮学校の当事者とすべての在日同胞、日本人支援者らの耐え難い心情を代弁していました。

■裁判終了後、理事長、弁護団長、支援者代表らにより記者会見が行われました。そしてそれと並行し中之島公会堂会議室で支援者らを対象に報告会が開かれました。また、夜には大阪市中央区民センター大ホールにて「大阪府・市補助金裁判/判決言い渡し報告集会」が行われました。